くたらぎ社長が『PS3はゲーム機ではない』と言うなら、任天堂の岩田社長は『Wiiは次世代機ではない』と。 従来のゲーム機の延長線上にあるものではなくて、まったく新しいものです。という意味。 『私だって技術者の端くれ。キレイな画面は非常に魅力に感じます。でもそれを実現しようとすると、ハードのサイズが大きくなり、ファンはうるさくまわり、ソフトの開発費は高騰し、すべての商品が大作化していく。』と、現在のゲーム業界がかかえる問題を的確に指摘した上で、Wiiという答えにたどりついた、というわけです。 …でも、それでも行けるところまで行こうとするプレステ3にもやっぱり魅力を感じてしまうんだよなぁ。(ファミ通)
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コメント (8)
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以前から気になっているのですが、ハードの性能が向上すると何故開発費が向上するのでしょう。同じものを作るのであれば、ハードの性能が高いほうが(面倒な最適化が不要なので)開発費は削減できると思うのですが。
ハードの性能が上がれば、大作がより作りやすくなるのであって、大作を作らねばならぬ理由がわかりません。
まあ、ソニーの路線もあれば、
任天堂みたいな路線もありってかんじで、
皆、同じ方向へ一直線に向かっているのより傍目には面白いです。
どちらにせよ、面白いゲームがあれば、問題がありませんしね。
以下、大分個人的な意見によるのである程度は容赦して頂きたい。
つまり、
ハードの性能が上がってやれる事が増えたらやらなければならない事が増え、単純に作業が増えてしまう。
やれる事ならばやらなければならないという強制観念がまず一つ。
(普通に2D的な処理も可能なのだからSFCのような2D作品を作っても良いのではないか、という考え方には残念ながらならないのが現状)
例で言うと、
PSでは一体500〜1000ポリで仕上げていたキャラクターがPS2になった事により一体2000〜5000程度に増え、
一体あたりの作業時間が単純に増えてしまう。
PS時代の頃は一体辺り一日以下で作っていたものだけど、PS2になってからは一体あたり1〜2日以上かかるようになった。
PS3ともなれば殆ど普通のレンダと変わりが無いから酷い時は一体あたり1週間以上とかになる事もあるのではないかと予想している。
また、画のクォリティが上がってくるにつれ画の作成がプログラマに寄る部分がどんどん大きくなってくるという問題もある。
例えば、PS3辺りからはシェーダ関連が相当充実してくる事になるはずなので、質感関連の設定がデザイナーの一存で決められなくなり、
知らなければいけない情報は肥大化する一方で、作業がどんどん複雑化してきてしまう事になる。
そうなれば相当人を選ぶ事になるだろうし、人海戦術も効かなくなるし、敷居は高くなる一方でやれる人の減少はもとよりやりたい人自体が居なくなる事にも繋がりかねない。
ともかくクォリティを責める次世代機はそういった問題を孕んでいるのではないかと。
>ハードの性能が向上すると何故開発費が向上するのでしょう。
あくまでも予想ですが「ごまかしが効かなくなるから」ですかね、
例えば以前の機種なら遠方の風景は1枚絵を用意出来れば良かったのですが次世代機ではそれでは違和感が出る可能性があるから遠方までキッチリ3Dで作らないといけなくなって、その分の労力が増えると。
それにゲームのヘビーユーザー層には「前以上」を過剰に期待される部分もあるかも知れません、ゲームのレビューとかでも前作と変化が少なかったらそれで減点される原因になっていますし。
で、1本のゲームを作成するのに長い期間か多くの人材が必要になるから開発費が向上して、それをカバーするために確実に売り上げの見込める重厚長大なシリーズタイトルに集中してしまう、みたいな。
大衆はこれ以上のクォリティを
あまり望んではいないのでしょうね。
PS3が押され気味なのは、「楽しさ」の一部でしかないグラフィックのクォリティを求めすぎて
価格を上げ、消費者のサイフを無視してしまったからなのでしょうか。
まあ何にせよユーザーのことを考えて作れば
そうでないものに勝つのは当然のことですし、
ソニーももう少し客観的にモノ作りをするべきですね。
>>Posted by: * at June 7, 2006 10:13 PMさん
強迫観念、ですか。PS2でも、品質には大分ムラがありますし、そもそもグラフィックスの工向上によって面白くなる作品だけではないのですから、私はクリエイターがグラフィックスへ過度な期待をされているとは思っていませんでした。
現世代であっても、予めテクスチャにセルフシャドーを書き込んだりポリゴン不足を補うためにテクスチャで誤魔化したりと本来であればプログラマがやるべき仕事を負担しているのですから、シェーダによって負担が大幅に増大するのでしょうか?シェーダといっても、グラフィッカーがスクラッチから記述するわけではないでしょうし…。
>>Posted by: at June 7, 2006 10:18 PMさん
もし、グラフィックスの品質が重要でないタイトルなら、誤魔化しても問題ないのではないでしょうか。また、現状でも遠くの風景はプリレンダのものをテクスチャとして張っているのでしょうから、そこまで負担になるのでしょうか。
>>Posted by: ペンデュラム at June 7, 2006 10:30 PMさん
SCEは、グラフィックスを強化すること=PS3の価値とはしていないのではないでしょうか。くた氏も、ハードの性能が上がったからといってPCのアプリの開発が困難にならないのとPS3も同様だとされていますし。
>ユーザーのことを考えて作ればそうでないものに勝つのは当然のことですし、
どうでしょうか。それが本来は望ましいのでしょうが、マーケティングというものに大きく左右されるように感じます。もし、左右されないなら(プラズマテレビを作っている)パイオニア等の企業は苦戦しませんよね。
次世代機戦争でも、ソニーがまるで任天堂のアイディアを利用しているかのように誤解されているようですし…。でも、実際にはソニーのアイディアを任天堂が利用していますよね。ただし、任天堂は上手に”魅せる”ことによって楽しさというものを巧妙に演出しているところがSCEとの違いでしょう。
しかし、開発が大変になるのは事実でしょう。初期の段階では、PS2よりは苦労しそうですね。
もし、キャラが映画レベルのものを必要とするなら大変になるでしょうし、実際にはそのレベルを求められるタイトルも出てきそうですね。
ただ、そのレベルを求めないなら、作り安くはなるとは思いますよ。性能の問題は小さくなりますからね。
シェーダの問題は確かPS2でも似たようなことをしてるタイトルはあるのでノウハウはあるはずですね。
しかし、XBOX360の開発状態を見ると結構苦労してみたいですので(ナムコのあれとかね)、PS3も大変そうですね。
PS3は「買える人だけ買って欲しい」という価格帯で、普及を目指しているとは思えない価格設定である一方でWiiは普及第一の価格設定。
ゲーム機で失敗したことのないソニーと64で苦痛を味わっている任天堂の戦略の違い。
僕も今回の戦いでは任天堂の戦略に賛同。
PS3は魅力がありすぎるほどのスペックだが、HDMIはともかくBDなんてまだ普及もしていないものを今搭載して喜ぶのはBD陣営と新しい物好きの人間だけだろう。
単にゲーム好きな人間から見たら高いメディアでのソフト提供を求めてなんかいないし。
HD-DVD陣営との戦いでBDをこの期に普及させたい思いが仇となったソニーはPS3普及にかなりの期間を要することだろう。
ゲーム機が普及しなければソフトの売り上げも必然的に落ちる。
今のPSP対DSと全く同じ戦いであり、結果もきっと同じだと僕は予想する。
しかし、PS3のようなものもゲーム市場にないと、ゲームの質ではなく技術力の低下も招いてしまう恐れがあるので必要だろうと思う。但し、そんな技術力、開発力を持てるところは大手に限られてしまうのが悲しいけど。