「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作、7月21日公開の映画「おおかみこどもの雨と雪」をみてきました!ほっこり感動できる良質アニメでした! 大学生の花が愛した彼は、狼男だった。 やがて、二人の子どもが生まれて、狼に変身するかもしれない子どもを周囲にバレないように子育てする奮闘記。そこで大きくテーマとして扱われているのは「母」でした。 >>続き
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…なんだけど、「狼に変身する子どもだから大変なんだ!」というよりは、一般的な家庭の子育てにおける大変さとそんなに変わらないようなものが描かれているなぁと感じました。いや、もちろん、夜中に子どもが病気になって、人間の病院に行くか、動物病院に行くか迷うようなことは一般的な家庭には無いとは思いますよ。でも、そういうことではなくて、子育ての本質はおおかみだろうが人間だろうが一緒。その大変さとか、そこから得られる喜びってこうなんだ!と観客に訴えるリアリティがありました。心を動かされました。 日常生活の細かいエピソードの積み重ねで描き出されるのは、母親という存在の偉大さ。
狼の耳が生えた子どもたちの動きとの豊かさ、愛くるしさといったら無いし、立体的に動く背景の美術は本当の風を感じるような説得力がありましたが、「このアニメすげえ!技術力高いなぁ!」と思ったことは上映中一度もなく、スタッフの努力なんかまったく気にもせずに作品の世界に没頭していました。そんなことより、花ちゃんがんばれ!と。
もちろん、日本アニメ屈指の技がつぎ込まれているんですが、それはあとでブルーレイディスクをコマ送りしてニヤニヤすればいいだけで、この映画はおおかみこどもたちとの生活を素直に楽しむのがいいと思いますよ!
劇中では10年以上の時間が流れるんですが、実際の映画は2時間ぽっきり。でも、尺が足りないなぁ!と思うようなことはなく、映画館を出るころには花と一緒に10年以上も子育てをしたような、謎の充実感とさわやかさがあります。雪も雨も立派に生きるんだぞ!