10月4日発売の新型PS3、従来よりもコンパクトになりましたが値下げはありませんでした。これまで、歴代のPSはどんどん値下げしていって一気に普及させる戦略でしたけど、PS3の値下げペースはゆっくりです。 それはなぜか?
それは半導体の製造プロセスの微細化のペースが遅くなってしまったから。 製造プロセスはシャープペンの芯みたいなもので、90nmで書いていた回路を45nmの太さの芯で書けば半分の大きさ(面積は1分の1)で済みます。 面積が小さくなると材料費が減るし、消費電力も発熱も減るし、冷却システムも簡単でいいし、良いことずくめ。今までのPSは細いシャープペンの芯に乗り換えて製造コストをどーんと下げて、本体価格を値下げしてきたんです。
でも、PS3の時代になってからは、細いシャープペンの芯がなかなか開発されなくなってしまったのです! これはソニーの問題ではなく、半導体業界全体の問題で、たくさんの技術的な壁が立ちはだかっています…。(PC Watch)
今振り返ると、250nmプロセスで製造をスタートして90nmまで微細化したPS2のチップセットは、CMOSスケーリングがまだ順調に働いていた時代に、その利点を活かしきっていた。それに対して、CMOSスケーリングが滞った90nmプロセスからスタートしたPS3は苦難の道を歩んでいる。もちろん、これは、PS3固有の問題ではなく、半導体業界全体がさまざまな形で直面している問題で、この時代に産まれたPS3は不運だと言える。