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「ドコモが個人情報を売る!」 というデマがTwitterで広まってる…。 ホントはどういうことなのか解説するよ

Twitterで「ドコモが個人情報を企業に売っちゃうらしい!」という変なデマが広まっているので、指摘しておきます…。誤解を招くタイトルの記事もたくさん出回ってますね…。

ドコモ、契約者の個人データ(位置情報、携帯番号、性別、年齢、住所など)を企業に販売へ…申請すれば拒否可(痛いニュース)

せっかちな人のために、先に結論書いておくと、ドコモが提供するのはたとえばこんな情報。『午前10時、東京駅周辺に20歳台の人が5000人いた』 この程度です。どうですか? 個人を特定できそうですか?
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発端は、ドコモが9月6日(金)に発表したプレスリリース。
モバイル空間統計の実用化および携帯電話ネットワークの運用データ利用について
「モバイル空間統計」を企業にも提供しますよと書いてあります。「モバイル空間統計」とは何か?説明はこうです。

「モバイル空間統計」は、携帯電話サービスをお客様に提供する過程で必要となる運用データの一部(携帯電話の位置データおよびお客様の年齢、性別、住所)に非識別化処理、集計処理、秘匿処理をドコモ内部で実行し作成する、お客様のプライバシー保護に配慮した統計情報です。場所や時間による人口の変動を推計することができます。
「モバイル空間統計」は個人の個々の情報ではなく集計された人口の数値であり、個人を識別できない情報です。お客様のご希望により運用データを「モバイル空間統計」から除外する「利用停止手続」を行うことも可能です。

なるほど、わかりにくい。 要は、個人が特定できないようにデータをぼかして提供するよー、って言っています。それでも不安な人は、希望すればデータを削除することもできるよ、とも書いてあります。

なるほどなるほど。じゃあ、どうやってデータをボカしてるの?本当に個人が特定できないの?そんな疑問がわきますね。ボカし方はちゃんとドコモのホームページで公開されています。

1.左上の「運用データ」と書いてあるところ。これがボカす前のデータです。思いっきり個人情報です。どんな電話番号の人がどこにいるのかすぐにわかります。ドコモに限らず世界中の携帯電話会社はこの情報をリアルタイムににぎっています。電話会社なのですから当然ですね。
2.左下の非識別化を行うと、携帯電話番号が消え、住所が町名までになり、年齢が「歳台」になっています。
3.右下 今のままだとドコモユーザだけの集計なので、その数字を本当にいた人の数の推計値に直します。ドコモの契約者数が6000万人だとすると、倍にすりゃいいわけですね。
4.右上で最後。5人とか少人数だとなんかバレちゃいそうな気もするので、そのデータを削除します。

どうですか?個人は特定できないデータになっているのではないでしょうか。ドコモの発表資料だと、提供する情報はこんなかんじに表現されています。

このデータをどう役に立てるのかは企業次第ですが、例えばこんな使い道があります。

実は、夜と昼の人口って違います。夜はみんな家で寝ます。でも、昼は会社や学校に行きますね。お役所が持っている「住民票」は家に住んでる人数だから、夜の人口なんですよね。昼間どこにいるのかはわからない。昼間の人口を知りたくなったときに、時間帯別の今回のデータが使えるわけです。

昼間の人口がわかると、この図のように、昼間に地震が起きたら何人の帰宅困難者が発生するのかすぐにわかります。 避難所や食料の準備などに役立てることができるわけです。

これは震災対策の例ですけど、おおまかに駅ごとの人口分布がわかるだけでも、いろいろなことに役立ちそうです。これをドコモが一社で持っておくのはもったいない!ということで、企業への提供を始めることにしたってことなのです。 人口がわかれば、コンビニで弁当を何個仕入れればいいのかわかって、捨てるご飯が減ったりとかさ、そんな風に役立てればいんじゃないでしょうか。

ということで、簡単に解説してみました。Twitterでリツイートするときは、中身をよく確認してからにしたほうがよいですね。もっと詳しく知りたい方は、ドコモのプレゼン資料↓を読んでみましょう!
参考:PDF「モバイル空間統計」の実用化について (NTTドコモ)
その上で、やっぱり自分の情報が統計の中に含まれるのが嫌だって方は窓口に連絡すればよいのだと思います。

追伸:
読売新聞の記事を読むと、確かに勘違いしちゃいそうですね…。
ドコモ、ビッグデータ販売へ…基地局機能活用(読売)

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