FF6、FF7/、FF10の楽曲を新たにアレンジしてオーケストラで演奏するスクエニ公式のコンサート「Final Symphony Tokyo」に行ってきました。これまでドイツやイギリスなどヨーロッパで開催されてきたものですが、スクエニの全面協力のもと、FFの故郷である日本での開催が実現しました。2012年に開催され大好評を博した「Symphonic Fantasies Tokyo」と同じ会場、同じ楽団、同じ指揮者、同じアレンジャーというだけあって非常にクオリティの高いコンサートとなりました。管理人は2002年から12年間すべてのスクエニ公式オーケストラコンサートに参戦してきましたが、今回がダントツでとんがってました。経験値高め。FFファンの音楽レベルが上がった感。>>続き
参考:公式サイト
会場は上野にある東京文化会館。1961年に完成した歴史あるホールで「クラシックの殿堂・オペラの聖地」と呼ばれる由緒あるホールです。
全席指定にもかかわらず、開場前から長蛇の列が。今回はグッズ販売があることが事前に予告されていたこともあってか、みなさん気合が入っています。演奏開始までの間は、発売されたばかりの「シアトリズムFFカーテンコール」を楽しむ人たちが各所にいました。僕もたくさんの方とすれ違い通信ができましたよ!
今回使われる「大ホール」は2,303席。「Distant Worlds」が開催されている東京国際フォーラムAホールの5012席と比べると半分以下のサイズです。ホールがこの大きさだとスピーカーが不要。楽器の出す音が、マイクとスピーカーを通さずに自分の耳へ入ってくることになります。どんな高級スピーカーを使うよりも高音質になるのは当たり前の話。
会場にはスクウェア・エニックス代表取締役社長の松田さんもいらっしゃっていました。
Fantasy Overture – Circle within a circle within a circle
コンサートのオリジナル曲。いきなりガツンと盛大な曲。プロならではの調和のとれた素晴らしい演奏で、このあとのコンサートは安心して聴いていていいんだと期待に胸が高まりました。
FINAL FANTASY VI – Symphonic Poem
ティナのテーマ
魔導士ケフカ
幻獣界
戦闘
etc.
1曲1曲が分かれているのではなく、それぞれが「モチーフ」となって曲の中にちりばめられる形の編曲になっていました。まさにクラシック音楽のような趣向で、FF6のゲームを進める中で帝国から始まって、ケフカが出てきて、戦闘があって、倒して、成長して…、とティナの物語に沿う趣向で曲が次々と展開していきます。FFという作品はもともと人物に対してテーマ曲が割り当てられているので、このようなアレンジとはすごく相性が良いなと思いました。1フレーズだけでも「ケフカのテーマ」がちょっと重なるだけで、背後から忍び寄るケフカを曲で再現できてしまうわけですから。
FINAL FANTASY X – Piano Concerto
ビサイド島
祈りの歌
雷平原
襲撃
etc.
作曲した浜渦さん自らが新しく「ピアノコンチェルト」として編曲。FF10HDリマスターでのリアレンジはあくまで原曲のイメージを損なわないように行ったそうですが、このコンサートでは「今の自分から見たFF10を個人の視点を盛り込んでアレンジした」とのこと。つまり、好き勝手やったということだと解釈しました。数曲のチョイスの中で「雷平原」を持ってくるかとw!いや、雷平原よかったです!
植松節が炸裂している名曲「ザナルカンドにて」も見事に浜渦さんに味付けされていて面白い。さらに個人的に好きな「襲撃」も聴けて大満足。浜渦さんの変態アレンジを弾ききったソリストのカタリーナ・トロイラーさん、凄いです。金髪ロングに赤いドレスはティナのようでした。(*´д`*)
FINAL FANTASY VII – Symphony in Three Movements
FFVIIメインテーマ
J-E-N-O-V-A
ティファのテーマ
偉大なる戦士
etc.
(;´;ー;`;)えー、難解でしたw。不協和音が常に鳴り続けているドM向けアレンジ。音楽って、「不協和音が協和音として解決されることによってカタルシスを得る」というのが基本構造なんだと理解していますが、なかなか解決されないわけですよ。どんだけジラすプレイなんだと! あの美しいエアリスのテーマが流れている間も小さく不協和音が鳴ってたりして。最後はFF7本編と同じくライフストリームがすべてを飲み込んで「解決」に至るのですが、最後の最後にFF7オープニングのモチーフが登場してやっぱり不協和音に…。正直、もう少しご褒美が欲しかったです!
アンコール Continue?
FF7のゲームオーバー曲「つづきから」。観客はぜんめつした…。。。
アンコール Fight Fight Fight
FF6のアルテマウェポン戦の曲「死闘」、FF7のボスバトル曲「更に闘う者達」、FF7「戦う者達」のバトル三昧。ある意味これがご褒美。美味しくいただきました。メドレーではなく、それぞれが頻繁に入れ替わり、時には折り重なってくる編曲技巧はさすが!前回もラスボス祭りをやってくれましたが、アレンジャーさんはバトルのミックスが得意なのかも。
ということで、非常にアカデミックな香りのするオーケストラコンサートでした!Distant Worldsのようなわかりやすいエンターテイメントを期待して行くと火傷しちゃうかんじです。FFってこういう料理の仕方もあるのかと、ゲーム音楽の懐の深さを見た気がします。
最近は各所でFFのコンサートが開催されていて、同じようなアレンジに飽き飽きしていた方には興奮するのものがあったのではないでしょうか!こうしてゲーム音楽の多様性を深めていけるのは素晴らしいことです。深さが深くならないとすそ野は広がらないですから。聴く方の耳はどんどん肥えていってる気がしますし!
コンサートの名前に「Final」とついてしまってはいますが、「Final」という名前で14作も続いている作品も世の中にはあるみたいなので、このコンサートもぜひ続けていって欲しいなと思います。
Final Symphony Tokyo公演大盛況に終了致しました!ご来場下さった皆様、ありがとうございました!植松さんと浜渦で終演後の一枚! pic.twitter.com/T6hmVf3tK2
— MONOMUSIK(浜渦正志公式情報 (@MONOMUSIK) 2014, 5月 4
【管理人の参戦した過去のコンサート】
・20020220 music from FINALFANTASY
・TOUR de JAPON music from FINAL FANTASY
・VOICES music from FINAL FANTASY
・Distant Worlds music from FINAL FANTASY RETURNING HOME
・Symphonic Fantasies Tokyo
・Distant Worlds music from FINAL FANTASY THE CELEBRATION