キリスト教カトリックの総本山である「バチカン市国」。バチカン図書館の所蔵する書籍の電子化をNTTデータが受注したというニュースがこの3月にありました。2世紀に書かれた手書きの書籍など、人類の資産が多く眠る巨大図書館ですが、受注は一筋縄ではいかなかったそうです。
バチカン側の常識は違う。費用を支払って契約を結ぶという選択肢は、今まであまりなかった。「契約書と言えば、ほとんど納品書のことを指す」と中城部長は述べる。つまり、契約金額などの概念はなく、物を納めたという確認書だけがある状態である。
両者の常識の違いには、大きな開きがある。そこでNTTデータは、バチカン側の資金調達の手法まで含めて提案した。デジタル化のための基金を創設して資金を集め、そこから費用を捻出してはどうかといった要請をするなど、工夫を凝らした。
バチカンはローマ市内に存在していて、国の面積の大部分がサンピエトロ大聖堂という巨大な教会です。日本で言えば「伊勢神宮が独立して国になってる」みたいなかんじ。 なので、そもそも民間企業にお金を払って何かをやってもらうという文化が無いのだそうです。
元記事では、そんな中で「ビジネス」としてきっちり有償の仕事を受注した苦労がたくさん語られています。プロジェクトは15年がかりですが、早ければこの6月中にも電子化が終わった文献からWebで閲覧できるようになるそうです。楽しみですね!(日経ITpro)