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スクエニ「株主総会2014」詳細レポート  ドラクエがソニーのハードか、Vitaにタイトル供給、なぜ従業員が減ったの?ほか

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本日6月25日に開催されたスクウェア・エニックスの定時株主総会に出席しましたのでいつものように内容をレポートします。スマートフォン向けゲームばかり出すイメージのある最近のスクエニですが、松田社長はゲーム専用機を重視したり、クリエイターが得意なものを作るべきだという考えが出たりといった考えを示しました。>>続き

[戦略]
長期大規模開発の見直し⇒開発の回転を上げる
 HDゲームはスクエニのDNAでありショーケースでもある。非常に重要視していることに変わりはないが、開発の長期化で資産の回収が悪くなる。
 海外はビジネスモデルの変化があり、F2Pやオンライン化してきている。
 国内はリリースする前・後に日々議論している。
 具体的な成果は今年度2Q、3Qに出てくる。公表していないものもある。

ゲーム機としてのスマートデバイス
 スマートフォン、タブレットの普及は著しく、ゲームプラットフォームとしても定着している。スクエニがスマートデバイス向けのゲームを提供するのは重要な今や戦略となっている。
 モバイル市場は競争が激しい。国内外でがんばっており、前年度から成果が出た。今期も成長のドライバーとして国内開発がけん引している。、海外も取り組む。デウスエクスなどは高評価を得たが収益はまだ。

 アジア市場は中国で急拡大している。昨年は拡散性ミリオンアーサーが成果を上げた。今年度も力を入れる。ほかにも現地パートナと協業していくつかのタイトルをリリースする。
 韓国ではカカオトーク向けに出したタイトーの「パズルボブル」が好調。

地域に応じたプロダクトポートフォリオ
 グローバルコンテンツは難しい。我々の過去の失敗として、グローバルを意識して開発した結果、グローバルでも国内でも誰も喜ばないモノが出来上がってしまった。
 一方で、今はインターネットによって世界に分断がなくなった。世界中の同じような趣味趣向の人がつながっている。このような状況下ではクリエイターは自分の得意なところに特化することが大事だと考えている。ローカルで売れるものは、グローバルでも売れる。最たるものはブレイブリーデフォルト。当初は日本国内向けに開発をしたものであったが、結果、世界中のJ-RPGユーザから高い評価を受けて売れた。いかに特異なところにフォーカスするかということ。

[概況]
HDゲーム事業
 FFXHD、シーフ、トゥームレイダーが好調。

スマートデバイス事業
 戦国IXA、拡散性ミリオンアーサー、DQMSLが好調
 2Q以降続々リリースする

MMO事業
 FF14、ドラクエ10
 いかに地域とプラットフォームを展開するかがカギ。中国で夏にFF14を展開する。

アミューズメント事業
 ゲームセンタは好調。
 ACタイトルもロードオブバーミリオンやパズドラが好調。

出版事業
 一部人気タイトルの新刊が減少した。
 電子書籍は急速に伸びている。

ライツプロパティ事業
 この分野を初めてご報告するが、キャラクターグッズが好調。
 本社ビルにショップARTNIAを開設し好評をいただいている。観光名所のようになっている。
 弊社のブランド価値を高める事業となっている。

[質疑応答]
従業員数が前年度より減少した理由は?
⇒欧米スタジオの改革・開発方針の見直しにより一部の従業員が退職した。
 一部、国内のタイトーで見直しに伴いご退職があった。

新取締役の選任理由は?
⇒コーポレートガバナンスを強化するため。

エニックスの時代から株を持っているが3000円が1500円に下がってしまっている。昨今、利益が急変動するのはどうなっているのか。
⇒前期は厳しく、特別損失を計上した。構造改革で開発パイプラインの見直しにより業績は回復した。今年度はF2Pなどチャレンジも多く、慎重にみている。

ドラクエモンスターズSLで課金騒ぎなどあった。ドラクエは子ども向けコンテンツであるのに、課金ビジネスにモデルを変えるのか。
⇒スマートデバイスの急速な普及で、広くどう遊んでもらうかを考えている。アイテム課金にかかわらず、広く進める。DQMSLは当初ご迷惑をおかけしたが今は好調。運営の充実が大事と考えている。

動画についている広告の収益について
⇒YouTube等の動画のアップロードは大きな収益インパクトは無い。
 PS4/XboxOneは動画のアップロードができるため、どう楽しんでもらうかが大きなテーマ。活性化させるうえで重要だ。違法な動画には対処していく。日々研究していきたい。

コンテンツ評価損17.25億円の内訳は
⇒欧米で大きな見直しを行い、タイトルの開発中止があった。
 特別損失の管理は重要なテーマ。ゲーム開発を進めるうえで環境変化に対応させるのが大事。いろいろな組織、モニターの仕組みを導入している。その中でいかに特別損失を出さないか効率化していく。

AM事業は競技人口が減少しているがそれに対する施策は
 面白いタイトルが出てきており、ネットワーク接続したり、ライブイベントの大会を開催したりと、アーケードならではの楽しみを提供している。競技人口そのものを増やそうと取り組んでいる。

[IRカンファレンス]
松田社長に加えて、ドラクエを統括する三宅氏、FFを統括する橋本氏、海外スタジオを統括するフィリップ氏が登壇しました。

20世紀のアーケードゲームが好きだが、PS4に出す予定はあるか?ニンジャウォーリアやダライアスなど
松田:クラシックゲームは優れていて、それを今仕様にするのは魅力。ダライアスはPSP向けにやったが、今後も積極的にやっていく。

任天堂が低迷しているが、ゲーム専用機とスマートデバイスの開発者数・開発費は何対何くらいの比率か。
松田:スマートデバイスの普及度合いは大変な数字。しかしゲーム専用機の存在は大きい。ゲーム専用機でしかできない体験がある。どちらも存在し続けると考えている。いかにゲーム体験を届けるかが大事。開発者数はスマートデバイスは400名。モントリオールの現地法人はスマートデバイスに特化している。
橋本:FFはアートニクス、ブリゲイド、シアトリズムとやっている。世界に向けてやっていっている。
三宅:ドラクエは昨年からやっている。ユーザ動向をみると、ゲーム専用機ユーザとかぶっていない。どこでもドラクエに触れてもらう環境を目指している。

ドラクエはソニーのハードで出るのか?
三宅:これまでもいろいろなハードで出しているので可能性はある。
松田:楽しみに続報を待ってほしい。

スクエニはVitaに出さないのか?
松田:Vitaは重要でスクエニのコンテンツと親和性が高く、タイトルを供給していく。今後いろいろと発表がある。

人気タイトルで発売日がかぶることはないのか
松田:リリースタイミングは重要。橋本、三宅を含めて全社で協議している。

オンラインゲームのDDOS攻撃に対する対策は
松田:スクエニのオンラインゲームは人気がある分、標的にされやすい。サイバー攻撃への対策は相当な強度を持ってやっている。

FFアギト、DQMSLともにリリース直後に大きな問題が出た。それによりストアでのレビュー評価が悪くなり、ダウンロードされなくなる。それに対する反省、分析はあるのか。個人的にはリリース初期は快適性、ダウンロードに時間がかからないことが重要だと思っている。
松田:重要なご指摘。そうした知見は共有している。どうブラッシュアップしていくか。アギトは現在最適化を行っている。

スクエニのスマホゲームは連打するだけだがクラッシュオブクランなどはやりこみがある。ガチャで煽ってというのではなく、ゲーム性の高いタイトルをリリースすべき。

橋本:FFはいろいろなチームがある。ソーシャルといってもいろいろ研究している。具体的タイトルは言えないがお待ちください。

三宅:もともとゲーム屋である我々がスマホゲームを作るとゲーム性が高いものになってしまう。スマホは手軽にできないといけないので、そのバランスを取りながらやっていく。

松田:海外でもゲーム性が高いものを開発している。

フィリップ:すばらしいコメント。手に取りやすいけど技術を習得するのが難しいものということで取り組んでいる。手に取りやすいこと、シンプルだけど、没頭できるもの。キャラクターは動かせないが、リッチな世界でパズルゲームのように没頭できるものを作っている。

今後のクラウドゲーミングのビジョンは
松田:プロジェクトフレアを進めている。E3でも発表したがR&Dレベルであり、商用化できるかは検討中。

FFアギトは機種変更できないのか。当初iPadでプレイしたがパフォーマンスが低く、Retina版iPadに機種変更した。しかしデータが引き継げなかった。プロダクトコードは前の機種で入れてしまったので再入力できずに失われた。
松田:FFアギトはいま最適化を行っている。貴重なご意見として開発チームに伝えていく。


配られたおみやげは「スライムサブレ」「FFX-2クリアファイル」の2点でした。スライムサブレは美味しいので普通に嬉しいです!

冒頭でHDゲームはDNAだと言い切ってくれたところが嬉しいですね。今年度以降、こうした思想を反映した骨太の国内タイトルが増えることに期待します。スマートデバイス向けも、今のカードゲームの延長線上のものではなくて、ゲーム屋だからこそできる新境地を切り開いてほしいです。
それにしても、橋本さん、せっかく登壇してくださったのにあまりしゃべる機会がなくしょんぼり…。

参考:ピンポイントplusさんのレポート
参考:まこなこさんのレポート

【過去ログ】
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2008年の株主総会レポート
2007年の株主総会レポート
2006年の株主総会レポート
2005年の株主総会レポート
2004年の株主総会レポート

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