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FF6のOPからEDまでをオーケストラで!GSJ「交響組曲 ファイナルファンタジーVI」を聴きに行ってきました!

サントリーホール
プロのオーケストラである東京室内管弦楽団がFF6の曲を30曲以上も演奏するという無茶なコンサート「Game Symphony Japan 8th Concert」に行ってきました!場所はクラシックコンサートの殿堂、サントリーホール。あのパイプオルガンの音色をFF6の曲で堪能できる日が来るなんて…!しかも「幻獣界」とか「狂信集団」とか「死界」とかなんの曲だっけそれ?的なマイナーな曲まで網羅。FF6の物語を音楽で丁寧にトレースしていくその内容に感動しきりでした!>>続き
関連:FF7のOPからEDまでをオーケストラで再現したコンサート 「交響組曲 ファイナルファンタジーVII」が凄すぎた…!

サントリーホール
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コンサートがはじまる15分前に我らが植松伸夫さんと指揮者の志村さんが登場しトークが始まりました。FF6の曲をここまでフィーチャーしたコンサートは世界初だそうで、植松さんは「妖星乱舞」はこれまで何度かコンサートでやってきたが、あまりうまくいってなかった。とぶっちゃけた爆弾発言!今日のコンサートへの期待を滲ませました。


[当時のCM(YouTube)]
一曲目に流れ出したのはパンフレットに書かれていない「ローミング・シープ」。知る人ぞ知るFF3のアレンジアルバム「悠久の風伝説」に収録されている曲なのですが、実はFF6のテレビCMに使われているんです。魔導アーマーに乗ったティナが渋谷の交差点に出現する実写のCMで、子ども心にワクワクしていた思い出がよみがえりました。アカン1曲目からすでに泣きそう…!
Game Symphony Japanは、コンサートを通してゲームを追体験するコンセプトで企画しているそうですが、まさかFF6発売前の感情を呼び戻させてくるとは!!ニクい演出です。

第1部

予兆
炭坑都市ナルシェ
戦闘
勝利のファンファーレ
目覚め
ティナのテーマ
魔導士ケフカ
幻獣を守れ!
決戦
街角の子供達
スピナッチ・ラグ
序曲
アリア
婚礼のワルツ~決闘
大団円
セッツァーのテーマ
ガストラ帝国
魔導研究所
幻獣界
魔大陸
死闘
大破壊
メタモルフォーゼ

開幕の「予兆」。パイプオルガンの第一音が鳴った瞬間、その音質に鳥肌。「あー!このためにサントリーホールに来たー!!」と感無量です。 一音からはじまるパイプオルガンの音色が一音一音増えて重なっていき、最高潮に達したところでFF6のロゴが登場するこの曲は、今回のコンサートでは合唱がついて迫力が増幅されていました。パイプオルガンがやむと、闇夜にチラつく雪をピアノが表現。魔導アーマーの一団が雪原を歩く有名なシーンへと繋がっていきます。この映画的なFF6のオープニングはFF屈指の名シーンだと思うのですが、今回のコンサートではそれを忠実に再現していました。もう観客の脳内にはあの画面が映っていたはずです!
FF6魔導アーマー オープニング

オペラのシーンでは、ホール後方座席部分を使ってソリストたちが右に左に大演技。セリスはゲームと同じようにブーケ投げ落とし、決闘のシーンへ。決闘がはじまって盛り上がってきたところで、突然「ぷわーーーーーん」と金管が落下音を出したかと思えば、ドスン!!と大太鼓の着地音。それと同時に舞台上の全員がズッコケます(笑) 演奏者も、合唱団も、指揮者に至っては指揮台から落ちてるし!コントか!!しかも「タコだ…!!」「タコ…!?」と演奏者が驚きのセリフをしゃべるという! 実際のゲームではここで敵のオルトロスとロックたちが天井裏からステージに落下してしまうシーンなのですが、私たちはそのシーンをオペラの観客になった視点で見ていたってことになるわけです。この演出は面白かったです!

その後、魔大陸や死闘を経て「大破壊」となったところで第一部が終了します。この区切れ方までゲームの構成を思わせますね。

第2部

セリスのテーマ
永遠に、レイチェル
死界
あの日から…
墓碑銘
仲間を求めて
邪神の塔
狂信集団
妖星乱舞
蘇る緑
プレリュード

第二部はさざ波の音をバックで鳴らしながら、セリスのテーマからはじまります。魚を拾ってシドに食べさせるイベントが思い出されますね。そして、「墓碑銘」。若かりし頃の北瀬さんが演出した名シーンですよ!FF6ダリルの墓ここで飛空挺ファルコン号が発信する瞬間に流れてくる「仲間を求めて」。ゲーム中にも心が踊った方が多いのではないでしょうか。名曲として非常に有名なこの曲ですが、最も感動するのはやはりこの最初の発進シーン。墓碑銘~仲間を求めてを連続して演奏することで感動が何倍にも膨れ上がります。

そして、ファルコン号で向かうは、ケフカの待つラストダンジョン。いよいよクライマックスに向けて「邪神の塔」「狂信集団」が流れ、観客の思いが高まっていきます。狂信集団は原曲もスーパーファミコン的にがんばって「声」を出していますが、今日はホンモノ。オーケストラ+合唱にパイプオルガンも加わって、狂気溢れる音楽になっていました。 その盛り上がりのままラスボス曲「妖星乱舞」へとなだれ込んでいきます。このコンサートをサントリーホールで催した目的である曲。長い長い物語の最終決戦の曲。開幕の鐘の音とともにパイプオルガンが鳴り始めると、ボクはもう「はぁー…。」と美しいパイプオルガンを仰ぎ見てしまいました。
パイプオルガンと合唱による宗教音楽的な美しい響きと、エレキギターやシンセサイザーによる破壊的なロックが交互に表れ、そして融合していくと、空気がビリビリ震えてホール自体がひとつの楽器になってしまったかのようなカオス状態に。ころころ変わる曲調、たぎる8分の7の変拍子、踊るベース。たまりません。個人的には第四楽章の2週目、原曲では電子オルガンが主旋律をかなでるところをマリンバでやっていたのがかっこよかったです。

ラスボスを倒した後も安心できず、FF史上最長となる20分超えの大曲「蘇る緑」が待っています。メインキャラクター全員のテーマがひとつずつ流れていくメドレー形式のエンディング曲で、ぬかりなく、最後まで演奏しきりました。メドレーの最後にはシリーズ通してのテーマ曲「ファイナルファンタジー」が入っているのですが、静かに弦楽器のみで演奏がはじまるツボを抑えた編曲。 世界を平和にした達成感と、もうすぐ来てしまう別れ、全ての感情を受け止め包み込んでくれるのはいつもこの曲でした。観客の心は当時と同じ感情が湧き上がっていたことと思います。

終演後は割れんばかりの拍手。

アンコールはもちろんFF7の「ルーファウス歓迎式典」。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートではラデツキー行進曲を観客と一緒に手拍子するのがアンコールの伝統となっていますが、それを意識してかみんなで手拍子して盛大にフィナーレとなりました。

ということで、大変素晴らしいコンサートでした!この「交響組曲ファイナルファンタジー6」の世界初である初演に立ち会えたことを光栄に思います。

昨今、ゲーム音楽を専門に扱うプロの楽団が増えてきましたが、Game Symphony Japanは作品一つを深く掘り下げて解釈する作風となっています。前回のFF7のコンサートもそうでしたが、曲順から楽器一つ一つの音色に至るまで深く練られているなと感心しますし、また、細部へのこだわりから作品への深い愛とリスペクトを感じます。

志村さんは観客たちのことを「共に旅をした仲間」と語っていましたが、まさに20年前に同じ大冒険をした人たちが集まって、今日、再び同じ冒険を行ったのです。思い出に残る物語をみなで共有しながら、演奏者と観客で追体験を共有していく。ただ人気のある曲をならべて演奏するスタイルから、一段上のステップへと進んだゲーム音楽の新しい楽しみ方なのではないでしょうか。ぜひ、FF7、FF6で終わらせずに他の作品へとレパートリーを広げていって欲しいです!

ちなみに、当日の告知によると交響組曲FF7は大阪公演と水戸公演が決定したとのことです。FF7ファンは参加してみてはいかがでしょうか?→公式サイト

【過去ログ】
リトルジャックオーケストラFF5コンサート(2012年)
リトルジャックオーケストラFF9コンサート(2013年)
GSJFF7コンサート(2014年)
(今回と同じ志村健一さん指揮のコンサートレポート)

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コメント

  • コメント (10)

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    • きのと
    • 2015年 5月 02日

    あの、妖星乱舞からの蘇る緑は、特にすご過ぎましたよね…!
    鳥肌立てて感動でした。
    asanagiさんもあの場にいらしたとは、なんだか嬉しいです^_^

    • きのと
    • 2015年 5月 02日

    あの、妖星乱舞からの蘇る緑は、特にすご過ぎましたよね…!
    鳥肌立てて感動でした。
    asanagiさんもあの場にいらしたとは、なんだか嬉しいです^_^

    • 匿名
    • 2015年 5月 02日

    コメント見ているだけで泣きそう

    • ダル
    • 2015年 5月 02日

    第二部の最初で波の音は、東京混声合唱団の方たちが口笛を吹くような感じで、波の音を出していましたよ。
    RA席で、すぐ近くにいたのですが、歌っていないのに、何か音を出している?
    「波の音!!」と、びっくりしました。

    • 匿名
    • 2015年 5月 02日

    それそれ
    行ってないのに毎回読んでるだけで泣けてくる
    朝凪さんの愛があってこその文書ですよ!

    • 匿名
    • 2015年 5月 02日

    9thに行ってきました。
    アンコールはテラバトルでした。
    パイプオルガンによる妖星乱舞の演奏は素晴らしいですよね。
    予兆も聴きたかったな〜。
    ちなみに、植松さんがテラバトルで遊んでいる人に挙手を求めたら、少なかったので、坂本さんの営業が足りないとの冗談を申してましたよ。

    • 匿名
    • 2015年 5月 03日

    読んでるだけでワクワクした。
    メーカー主催じゃないけど、むしろもっと凄いことやってるってことを多くの人に知ってほしい。
    素晴らしいレポありがとう。

    • 匿名
    • 2015年 5月 03日

    このプログラムでCD化してくれないかなあ。1個1万円でも買います

    • えんま
    • 2015年 5月 06日

    自分も2日目行きました~♫
    植松御大も来ててめっちゃテンション上がりました
    さすがサントリーホール、
    パイプオルガンの生音がすごく良い(人´∀`)
    指揮、演奏の方々の一体感を感じられる演奏のおかげで、会場のみなさんと感動を共有できたのは、本当に良い思い出になりました

    • 匿名
    • 2015年 5月 06日

    個人的に好きだったのは、
    通常戦闘曲(ノビヨさんはザコバと言ってましたが笑)、魔列車、墓碑銘、邪神の塔ですね。すごくオーケストラが映える曲だなぁと。オペラと妖星乱舞はもう別格で最高でしたが!

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