FF15の物理シミュレーションについて講演が世界的なCGのイベント「SIGGRAPH ASIA 2015」で行われました。講演を行ったのは東大で博士課程を修了したスクエニ社員のWitawat Rungjiratananon氏。氏のWebサイトによると2012年からポスドクで研究員として広島の大学に勤務していたようなので、スクエニに入社したのはここ1年・2年のことなのではないかと思われます。そんな経歴もあってか、講演は学術の世界とゲーム開発の世界の違いからスタート。技術単独では完成せずに開発した新技術をアーティストが表現したものが結果になる点や、物理的に正しくないフェイクでもそれっぽく見せるためには許される点などを上げていました。その上で、たとえば髪の毛の表現には
毛髪シミュレーションの場合,風に髪がなびいたり,激しい戦闘アクションで翻弄されたりするような,柔らかい毛髪の動きを実現したくなる。一方で,「キャラクター固有のアイコン」でもある派手な髪型を崩したくないという「ヘアスタイルの維持」も要求されたため,布シミュレーションと同様に,ボーンベースで毛髪の挙動をシミュレーションする仕組みを実装した。
と、物理的にリアルな動きと、かっこよさのためのウソが両立できる仕組みになっているそうです。 他にも、風の吹き方をテクスチャで指定できる(たとえば、V字のテクスチャなら、草木がV字になびいていく)など、面白い技術が紹介されています。FFは学術と技術と美術が高度に融合された作品なんだなとあらためて実感。この記事を読むと、体験版の中で世界の隅々を観察したくなってきます! (4Gamer)