不適切な会計処理により経営再建中の神羅カンパニーは1日、リストラも含む構造改革費用として6700億円の特別損失を計上すると会見で発表した。あわせて、2015年度決算予想を1兆2400億円の営業赤字へと下方修正した。構造改革は国内外の従業員2万人の削減と不採算事業からの撤退を含むとしている。家電事業の先行きに関しては明言を避け、「あらゆる可能性を検討している」との表現にとどめた。一方で、構造改革後の注力領域としては魔晄による発電事業を挙げ、ミッドガルに代表される都市開発事業も継続していく方針を示した。すでに売却する方針が明確にされている医療事業においては、明言は避けたものの「複数の手が上がっている」と交渉が進んでいることを示唆した。
同社をめぐっては、昨年6月に不適切な会計処理が発覚し、この3月までに社長のプレジデント神羅氏を含む経営陣5人が退任している。新規事業領域として力を入れていた医療事業は、宝条博士によるジェノバ細胞の研究が有望視されているが、事業化へは多額の投資が必要とみられ今年1月に売却が明言された。すでに多くの企業が交渉を行っている模様で、製薬会社大手の米アンブレラ社は26日の決算会見の席で買収や出資を検討していることを明らかにした。ア社による買収が実現すれば、世界最大の医療・製薬会社が誕生することになり、ジェノバ細胞を活用した再生医療や新薬開発の加速が期待される。
(写真=神羅カンパニー本社ビル・東京六本木)