とても興味深い記事で、全員必読です! FF15の田畑ディレクターと、鉄拳の原田プロデューサーの対談記事。 FF15の開発体制について語っているのですが、これまでのFFや日本のゲーム業界がハマって世界に取り残されていた状態を「FF病」と表現しています。3ページもあって非常に濃い内容で、ぜひとも全文読むべきと思うのですが、一部を紹介すると、こんなかんじ。
4Gamer:
FF病,ですか?田畑氏:
スクウェア・エニックスの社内にいる,自分のFF観でしか物事を考えられなくなってしまった人達のことです。その根っこにあるのは強烈な自己肯定で,チームの勝利条件よりも,自分のFF観を優先してしまう。そのFF観を満たせてないと,FFとしてダメだと思い込んでいる。「FFは特別なゲームで,それを作っている自分達も特別なんだ。FFの新作が出たら皆が食い付くはずだ」って,どこかで思っている。でもそんな現実,あるわけないじゃないですか。原田氏:
なるほど,それでFF病。それは解りやすいですね。田畑氏:
それで,「俺たちは特別な存在じゃない。早く目を覚ませ」って,チーム内で諭していた時期があったんですけど。でも,FFXVの情報を世に出し始めたことで,それが社内だけじゃなかったことに気が付きました。みんながFF病だったんですよ。
ボクはFF4くらいからのファンなので、「FF=スタイリッシュ」という印象はそんなになく、個人的な「FFらしさ」は「最先端」だと思っています。そういう意味で、時代遅れになってしまったFFを再び最先端に連れ戻そうという田畑さんの挑戦は素直に歓迎したいです。
対談の中では、世界のAAAタイトルをどうやって日本で開発するのかというチーム論、プロジェクトマネジメント論になっていくのですが、そこが面白い。
原田氏:
今,田畑さんは挑戦とおっしゃいましたけど,僕も最初はそう思ってたんですよ。ああ,田畑さんはきっと挑戦しようとしているんだって。でも,途中からそれは実は違うんじゃないかと思うようにもなりました。それはFFXVの開発環境を見せてもらったからなんですけど。あの開発環境と規模は挑戦とかいうレベルじゃない。いわば,世界を相手に戦争をしようとしてるとしか思えない。
(中略)
4Gamerの読者さん向けに,海外のデベロッパがどれだけ先を歩いているかという話をすると,まず開発に関わるチームの規模が違いますよね。欧米――とくに北米は,日本のデベロッパが業界を席巻していた90年代から,PC環境でミドルウェアやゲームエンジンの開発をコツコツと続けてきたおかげで,500人からヘタすると1000人単位の規模でゲーム開発ができるようになってきた。一方日本の会社はというと,どう頑張ったって200人ぐらいが限界で。テクノロジーの合理化や共有化環境だけでなく,実はそういう「組織作り」の立ち遅れが,2000年代に入って日本が綺麗に勝てなくなった原因の一つにもなっている。
でもFFXVは,日本でその規模の開発をやろうとしている。どうやってこんな大規模な開発チームを運用しているんですか? ここはぜひ聞いておきたい。
1000人規模のプロジェクトを率いるのは、200人規模の職人集団を率いるのとはまったく違う方法論が要求されるハズで、FFはここ10年以上その飛躍ができず世界から取り残されていたのかもしれないですね。田畑さんが語っているFF15の大規模プロジェクト運営の秘密はぜひ元記事をご覧ください。昔のゲーム開発では、田畑さんのような人はいなくても職人同士のツーカーでうまくまわっていたのかもしれませんけど、現在のAAAタイトルは1000人規模の人をまとめあげて、ひとつの方向に向かわせなきゃいけない。そうするとゲームデザインやビジョンに優れているだけではダメで、チームを作り上げる力がとても重要になってきているんですね。(4Gamer)