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モノリス高橋哲哉氏「任天度は甘いところじゃない」 FF7を離れた理由やゼノギアスのdisc2の真相も

ゼノギアス

スクウェアを退社して、モノリスソフトを立ち上げたのちにゼノギアスシリーズを手掛けている高橋哲哉氏と、ペルソナ3/4/5を手掛けているアトラスの橋野桂氏の対談記事がめちゃくちゃ濃い内容だったのでご紹介します。

やはり話はゼノギアスのディスク2に及ぶわけですが、そこで次のように語っています。

当時のスクウェアには、1年半という開発の縛りがあったんです。そんななかで『ゼノギアス』はなんとかお願いして2年まで引っ張りました。それでも結局、もう間に合わないという話になった時に、「適当なところで切っちゃえ」と上から言われて。でも、ここで切ったら本当に消えてしまうので、どうやろうかとひねり出した結果が、アレだったんです。

販売本数がノルマの100万本に(ギリギリ)で至らなかったため続編の制作がされなかったという話は有名ですが、開発期間の縛りもあったんですね…。

また、当時はFF7の開発の裏でゼノギアスの開発がスタートするわけですが、高橋さんは当初はFF7に参加していたことが明かされました。

当時『ファイナルファンタジーVII』がプリレンダリングのCGをベースにして、綺麗な絵を見せるっていう方向性でやっていて、僕も途中まで参加していたんですけど、「これだと世界は表現できない」と思ったんです。それで全部3Dに振ったものを作ろうと。
(中略)
『FFVII』のチームを離れたのも、発端になったのは人間嫌いなところだったと思うんです。自分とは方向性が違う相手と、上手く折り合いがつけられないんですよ。当時はまだ若かったというのもあるんだけれども。そのせいで自分の居場所に疑問を持ったというか、なんでオレは今、自分の方向性とは違うものを作っているのかな、って思っちゃったんです。

FF7は2Dの絵に3Dのキャラクターを重ねていますが、ゼノギアスは逆で3Dの背景に2Dのキャラクターを重ねています。ゼノギアスがFF7と真逆の表現手法を選択した裏には、このような判断があったんですね。

そして、スクウェアから独立して立ち上げたモノリスソフトはバンダイナムコの傘下を経て、今は任天堂が親会社になっています。ゲームを作るにあたっては任天堂のGOサインをもらう必要があるわけですが、リアルな苦労話が語られています。

今回はこんなお話でやります、こんなキャラクターでやりますという話をしても、絶対に通らないんですよ。そうじゃなくて、企画の軸足はここだから、背骨はここだからという、そんな感じのアプローチではありますね。
 10本打って1本当たったらヒットどころか、もっと多いですよ、企画書は。何十本も持っていってますね。

江口氏:
 そんなイメージはなかったですね。高橋さんクラスになると、もっとピンポイントで「任天堂さん、これでいいですよね?」みたいな感じだと思っていました。

高橋氏:
 そんな甘いところじゃないです(笑)。 たとえ企画書が通っても、途中まで進んで「はい、ダメ」というものもありますし。それは僕らだけじゃなくて、任天堂さんとお付き合いされている他のディベロッパーさんも、たくさんあると思います。商品としてお店に並んでいるものは、本当に氷山の一角ですね。

このほかにも、ファルコムからスクウェアに移籍してきたときに、高橋さんの進言でグラフィック重視へとスクウェアが変わっていったことなど、興味深いエピソードがたくさん語られています!

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