技術者のはしくれとして、こんなに心躍るニュースは久しぶりというかんじですが、世界中で報道されている通り、民間の宇宙開発企業であるスペースX社がロケット「SpaceX Falcon Heavy」の打ち上げに成功しました。NHKの解説記事がわかりやすく凄さを伝えていますので、4つのスゴイ点をサクサクっと短く要約してご紹介します。
凄さ(1)打ち上げ能力が最大!
このロケットは、地球周回軌道(低軌道)に64トンの物体を打ち上げる能力があり、これは現役のロケットの中で最大。日本のH2Aロケットの6倍の能力を有します。物資を火星まで届ける場合でも17トンまでいけるとのこと。
凄さ(2)安い
打ち上げ性能はH2Aの6倍なのに、打ち上げ費用はH2Aと同じ100億円です。コスパ良すぎ。
凄さ(3)再利用可能。打ち上げても戻ってくる
これまでのロケットは使い捨てでしたが、このファルコン・ヘビーは再利用可能。一度打ち上げても、地上に戻ってきて逆噴射で着陸します。YouTubeでもそれに成功した様子が生中継されましたが、何度見ても衝撃的!
使用したブースターエンジンが地上に着陸する映像を初めて見た pic.twitter.com/X30HCCwkCZ
— tamtam (@kouic_t) 2018年2月6日
凄さ(4)27基のエンジンの集合体
2008年に打ち上げに成功した「ファルコン1」のエンジンを9つ束ねた「ファルコン9」をさらに3つ合体させて「ファルコン・ヘビー」を作っています。つまり、一度成功したファルコン1を27個束ねたロケットというわけです。同じユニットを大量生産して組み合わせることで大きなパワーを得る新しい考え方になっているのです。その分、27基を強調して動かす高度な制御技術が必要になります。
今回の成功は通過点に過ぎず、火星への都市建設を目指して、スペースX社はさらに開発を進めるようです。
イーロン・マスク氏は、去年9月、人類を火星に送る最新の計画を発表しています。6年後の2024年にも、有人の宇宙船を火星に送るというものです。そのために、2022年には無人の宇宙船を火星に送り込み、水資源などを探査するとしています。その後は火星に拠点を作り、さらには都市を建設していく計画だというのです。
赤いオープンカーを打ち上げて、地球とのツーショット写真を披露するとか、夢があります。今後も目が離せません!
イーロン・マスクが宇宙にスポーツカーを打ち上げると聞いて正直「そんなことやってどうすんだ」と思った。朝起きて世間が喝采しているのでこのビジュアルを見て度肝を抜かれた。車が宇宙を飛んでいる。それだけである。だがこれは理屈抜きに胸が躍る。この絵を想像できなかったオレの負けだ。 pic.twitter.com/iW0ZHSlDjS
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2018年2月7日
↓打ち上げてから戻ってくるまでの衝撃の10分間の動画。
もっと詳しく知りたい方は、NHKの元記事を読んでいただくとよいと思います。