ゲームメディアIGNがFF7に関する記事を修正しました。元のタイトルではあたかもFF7の開発が「最近になって初期の構想段階から脱した」ように書かれていましたが、野村哲也氏の発言はこれとは異なっていて、「すでに初期の構想段階から脱している」ことを意図していました。いつ初期の構想段階から脱したかについては明言されていません。にもかかわらず、IGNは下記のタイトルをつけて記事を公開しました。
『FF7 リメイク』がやっと「初期の構想段階」を脱する
その後、ヤフーニュースには
FF7リメイク やっと開発入る
という見だしで、Yahoo! JAPANのトップページに掲載されてしまいました。これはもう元の情報とはかけ離れたニュアンスになってしまっています。
本文の訂正については下記のとおりです。こちらも初期構想から脱したのが現在形から過去形に変わっています。
訂正前の本文
スクウェア・エニックスによる『ファイナルファンタジーVII リメイク』はE3 2018を“すっぽかした”最大のタイトルのひとつだ。今年3月にも品質向上のため、新たな人材を募集したばかりだということを考えると、本作の発売までは相当長い道のりがあるだろう。しかし、野村哲也ディレクターはIGNとのインタビューでファンに明るい希望を与える発言をした。『FF7 リメイク』はやっと「初期の構想段階」を脱し、本格的な開発に入ったというのだ。
訂正後の本文
スクウェア・エニックスによる『ファイナルファンタジーVII リメイク』はE3 2018でまったく情報がなかった最大のタイトルのひとつだ。今年3月の記事によると品質向上のため、新たな人材を募集したばかりだということを考えると、本作の発売までは相当長い道のりがあるだろう。しかし、野村哲也ディレクターはIGNとのインタビューでファンに明るい希望を与える発言をした。『FF7 リメイク』は「初期の構想段階」を脱していて、既に本格的な開発に入っているというのだ。
英語の原文
Square Enix’s Final Fantasy 7 Remake was one of the biggest no-shows at E3 2018, and it may still be a long ways off from release. But Tetsuya Nomura today gave fans a sliver of hope, stating that the remake has at least moved past the conceptual stage and into full development.
E3ではなんも発表なかったけど、しかし!ノムテツ氏は今日、ファンに少しの希望を与えました! というかんじの内容です。英語版と日本語版で随分とニュアンスが変わっていますね。当初、「no-shows」を「すっぽかした」と訳しているのはけっこう大胆です。
なお、この記事は当サイトも紹介していますが、当サイトでは野村氏の発言内容のみにフォーカスしていましたので、IGNによる訂正の影響は特にありません。
こちらの記事にhttps://t.co/WWVy8YMH5L
誤解を招く表現があったため、タイトル及び本文の一部を修正し、該当のツイートも削除させていただきました。読者ならびにスクウェア・エニックス様に大変ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。時期を改めて今回の経緯と謝罪の記事を公開いたします
— IGN Japan (@IGNJapan) 2018年6月16日
また対応が遅れてしまったことに関しても申し訳ございませんでした。こちらも後日、経緯を説明させていただきます。読者やファンの皆様、そしてスクウェア・エニックス様に大変なご迷惑をおかけしてしまったことをあらためてお詫び申し上げます
— IGN Japan (@IGNJapan) 2018年6月16日
個人的に、IGN日本語版は他のゲームメディアと違って、ゲーム会社に忖度しない姿勢に好感を持っていたのですが、恣意的に情報を曲げるのは行き過ぎていると感じます。情報は正確に、しかし意見は強く主張するという姿勢のメディアになるとよいですね。ファミ通や電撃だとスクエニのような大手ゲーム会社に批判的な記事は一切ありませんが、それだとゲームが文化として成熟しませんので、建設的な批判はどんどんすべきだと思います。ただ、嘘はいけません。