◆めっつぉ:スクエニ&ガジェットニュース

FF15開発者がCEDECで語った「CX=“キャラクター体験”」のデザイン手法

FF15ロゴ

ゲーム開発者が一堂にあつまってノウハウをプレゼンし合うイベント、CEDECが今年も開催されました。FF15の開発に携わったLuminous Productionsシニアゲームデザイナーのサン・パサートウィットヤーカーン・パサート氏が同作におけるキャラクターのデザイン手法を講演しました。講演の記事がGameWatchに掲載されていますのでご紹介します

FF7をはじめFFシリーズが大好きなサン氏にとって、FFはパーティに男も女もいて仲間が次第に増えていくことが当然だったそうですが、実際は…。

サン氏を待っていたのは「仲間は男だけ」、「衣装が黒い」という2重の衝撃。「え、女の子は?!」と最初は思ったそうだが、想像とギャップがありすぎて「これは新しい体験を作り出すチャンス!」と逆にポジティブになったという。

 なんてポジティブ思考なんだ…!

サン氏が講演で最も強調していたのは、ゲーム内でキャラクターを魅力的に描くことの大事さだ。見た目やカットシーンのセリフだけではない。特にゲームという複合的なメディアでは、ゲーム内に存在する様々な要素から、キャラクターを幾重にも「体験」することになる。その「体験」の中でプレーヤーが少しでも違和感を感じてしまえば、キャラクターの魅力は一気に失われる可能性がある。逆にその「体験」が常に効果的なものであれば、プレーヤーの心を掴んで離さないキャラクターになってくれるだろう。

 サン氏はこうした「体験」を「キャラクター・エクスペリエンス(CX)」(=キャラクター体験)と定義して、ゲームデザインに組み込むためのアプローチを行なっている。

講演では、プロンプトのキャラクターデザインについて、その手法が語られています。「表面的魅力」と「本質的魅力」の両方を考え、キャラの魅力を伝えるためにプロンプトには特に「ステレオタイプ」、「人間味」、「葛藤」という3つのステップを設計したそうです。「ステレオタイプ」は表面的なお調子者のキャラクター、「人間味」は実は内面はオタク気質であるというギャップ、「葛藤」はプロンプトの本心の部分。

実は自信がなかったり、昔は太っていたり、本人は本人で葛藤していることがだんだんとわかってくる。長い時間を一緒に過ごさないとわからなかったような濃い感情が本人からさらけ出されることで、「ああ、プロンプトは本当はこういう奴だったんだ」と理解する。プレーヤーがプロンプトのことを「完全に理解した」と思うとき、プレーヤーとキャラクターの関係性が成立する。

これまでのFFでも仲間キャラクターの過去がゲーム中盤でだんだん明かされていくというのは定番の流れでしたが、FF15はそれをもっとプロセスとして整理して、さらに普段のゲーム体験にも落とし込もうとしていたわけですね。
確かに、FF15をずっとプレイしていると本当に彼らと旅をしているような錯覚に陥り、旅の疑似体験を通してキャラクターの内面を深く理解していく中で、だんだんキャラクターのことが好きになっていくようになります。
個人的にはアニメ作品「BROTHERHOOD FFXV」でのプロンプトの描かれ方がとてもよくて、あれで一気に好きになりました。CXはゲーム内にとどまらず、様々なメディアやコラボ作品群も含んで統一的にデザインしていく必要あるんでしょうね。

キャラクターの魅力というのは日本のゲームが特に秀でている部分だと思いますので、今後の作品でもこだわって欲しいですね。

モバイルバージョンを終了