超ディープな記事を連発している電ファミニコゲーマーからまた一つすごい対談記事が!ドラクエ10、11、ニーアオートマタなどを手掛けてきたプロデューサーであるスクエニの齊藤陽介氏について、ご本人と藤澤仁氏、ヨコオタロウ氏、安藤武博氏という豪華メンバーでお酒アリで語りまくっています。
斎藤さんはエニックスに入社してドラクエ以外のいろんな作品を手掛け、スクエニと合併したあとはドラクエ10、ドラクエ11、そしてヨコオ氏の作品を手掛けているわけですが、ヒットを連発する秘訣はどこにあるのか?斎藤さんの仕事のやり方とはどのようなものか?といった事に深く切り込んでいく内容。
「ドラクエとFF」感。
齊藤氏:
これは会社の役員の立場としては言えない発言なのかもしれないけど、『ドラクエ』や『ファイナルファンタジー』というのは、若い人たちが力をつける場だと思う。
藤澤氏:
オレから話していいですか? 堀井雄二さんがいて、それ以外のメンバーは何もやったことがないヤツらでいつも作ってきたのが、『ドラゴンクエスト』だと思うんです。(中略)
安藤氏:
なるほど、卒業するものなんだ。(中略)それは『FF』を作った人たちも、同じことを言っていましたね。
『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』を作る時に、筋を通さないといけないと思って、過去の『FF』を作った方々に退社された人も含めて会いに行ったんですよ。
そうしたら「『FF』はしがみつくものじゃなくて卒業するものだから、1回はやってもいいけど、これで最後にしておきなさい」って。それはみんなが言いましたね。
こういったドラクエ感があるからか、ドラクエ11を立て直した話では、若い2人をプロデューサーに起用することにしたかっこいい話が。
若くても経験がなくてもいいから、APじゃなくてちゃんとしたプロデューサーとして機種ごとに1人ずつ、それぞれ立ててくださいと。それでもし問題が起きたら全部、オレがケツを拭くからと。
うーん、社会人になったら一度は言ってみたいセリフです!
ニーアのソーシャルゲーム化の依頼はたくさん来ているようですが、すべて断っているとのこと。
齊藤氏:
いや、違う違う。粗製乱造されるのがイヤだったので、こっちで全部止めてるの。もちろん、スゴイなと思う話が来たら、ちゃんとヨコオさんに話しますよ。
この人なら安心して任せられそうだという人は、ヨコオさんに会わせるし。逆にコイツは金儲けのことしか考えてないなと思うんだったら、こっちで止めればいいわけだし。
座談会の最後の方はスクエニの第10開発事業部長、モバイル事業部長をやっていた時の愚痴っぽい話も登場して、アルコール入りの座談会ならではの雰囲気になっています。
下記のような仕事論なんかも時折出てくるのですが、そういったところを読んだり、どうやって吉田明彦さんをニーアに誘ったのかの話を読んだりするにつけ、人を使うことの達人だなぁと感嘆します。これからも、様々な縁を取り持って、活躍していただきたいですね!
エニックスはもともと社内に開発者を持たずにパートナー企業に開発をしてもらうパブリッシャー型の会社ですので、パートナー会社とは請負契約になることが多いようですが、
契約のマイルストーンごとに用意する資料なんて、そんなものは言ってしまえばムダで(笑)。
ヘンな話、それを優先しようとしてムダな時間を使っていることも、いっぱいあるはずなので。だったら自分の責任の範疇で、ちゃんとモノが積み上がっていっているかを現場で見たほうが、よっぽど有益ですよ。
週報だけは絶対に提出しろと。それも普通の週報だったら「今週やったこと、来週やることを書きなさい」なんだけど、「困ったこと、言いたいこと、雑談をいちばん最初に書きなさい」というフォーマットを作って。
ちなみに、なぜアイキャッチ画像がシウマイ弁当なのかというと、斎藤さんのTwitterに毎回登場するからです。ニーアの開発が大坂で行われていたので大坂出張のたびに食べていたわけですね。