4GamerにPS5開発者へのオンラインインタビュー記事が掲載されました。有名なライターの西川善司氏によるもので、PS5分解動画の解説が行われています。 インタビューを受けているのは、まさにその分解動画で分解している張本人、ソニー・インタラクティブエンタテインメント PSプロダクト事業部 ハードウェア設計部門 メカ設計部 部長の鳳 康宏氏。PS2以降のPlayStationシリーズのハードウェア設計を担当しているキーパーソンです。
PS5の分解動画で話題になったのは、なんといっても液体金属の採用。液体金属であるガリウム系合金はアルミニウムをボロボロに溶かしてしまう性質があり、どうやって漏れないようにするかが非常に難しく、万が一漏れてしまったら基盤をショートさせてしまう危険性があります。そんなリスクが高い部材をどうして使うことにしたのか?その理由を次のように語っています。
鳳氏:大きな理由としてはコストです。熱設計の定石として,熱源に近いところにコストを掛けるというのがあります。一般的な熱設計におけるたとえ話として聞いてほしいのですが,あるシステムの冷却構造で,TIMに10円,ヒートシンクに1000円のコストをかけたとします。ここで100円のTIMに変えると,500円のヒートシンクを使っても同じ冷却効果が得られるのです。つまり,トータルのコストを抑えられるわけです。
つまり、メインチップに近いところにお金をかければ、周辺の冷却システムは安いものでも良くなり、トータルで安くなるということ。とはいえ、腐食からヒートシンクを守るために一部の素材を銅に変えて、さらにその上から銀メッキにするなどかなり手間がかかっていそうです。
もう一つ気になるのは、縦置きと横置きにしたときの冷却性能の違い。これについては、同じであるとのことです。
鳳氏:これはよく聞かれる質問です。設計者の立場から言わせてもらえば,縦置きと横置きで冷却性能に違いはありません。「縦置きの方が煙突効果によって放熱効率は高いはず」と考える人もいるとは思います。しかし,アクティブファン(電動ファン)が組み付けられた冷却システムにおいて,煙突効果は測定誤差レベルです。
インタビュー記事ではこのほかにも、ブルーレイドライブをあえて密閉にした狙いや、背面シールド版の秘密、増設SSDの仕様など気になる点がいろいろと語られています!ぜひ全文を読んでみてください。
> CPU/GPUのシリコン 約30 W/m・k
> PC用の超高級グリス 約8~14 W/m・k
> PC用の熱伝導用液体金属 約80~160 W/m・k
> 気体(空気)0.0287 W/m・k
> 熱伝導媒体に用いられる純銅 約380 W/m・k
> ヒートシンクに用いられるアルミ 約200 W/m・k
> 純金(参考) 約295 W/m・k
↑の通りいままで熱移動の強力なボトルネックとなっていた接触部(TIM)の性能が
約10倍以上に大きく改善するのは非常に素晴らしい、文字通りのブレイクスルー!
それを本体の大部分を占めるほど大型のヒートシンク大型のファンでゆったりと
余裕をもって放熱とはまた贅沢!動作してないのかと一瞬疑うほど静かだったという逸話も納得w
なんやこれ
https://youtu.be/4cmclCjS5jg?t=320