スクエニのプリレンダCGを手掛けるチームとして有名なヴィジュアルワークス部、そして新しく設立されたハイエンドリアルタイムグラフィックスを担当するイメージ・アーツ部の両方で事業部長を兼任している野末武志さんへのインタビュー記事をご紹介。野末さんといえば、FF7ACで共同監督を、キングスグレイブFF15では監督を務めたスクエニのCGの中枢を担当しているお方。その野末さんが語るのは在宅勤務について。
スクエニは今回のコロナ禍をきっかけとして、恒久的に在宅勤務を取り入れることを発表しています。実際どのくらいの社員がどんな風に働いているのか?その実態が語られています。
主に使っている会議システムはZoomとMicrosoft Teamsというとてもポピュラーなもの。氏の個人的な感覚では在宅になって「1.5倍くらいは効率化」できているとのこと。
野末:自分の仕事はディレクションや管理業務が中心になるのですが、それこそ会議の移動や通勤時間といった時間が不要になるので、全てがスピーディに進められますし、いろんな報告や判断などもメールやオンライン会議システムで可能です。おそらく部下からも、これまで全然社内で掴まらなかったのが、ぐっと改善したと思われているのではないでしょうか。
すごく楽になりましたね。Zoomで画面共有をしてPhotoshopで画面に直接書き込みながら指示を出せるようになったので。アジャイルをどのように捉えるかにもよるのですが、これが僕がアジャイルでもつくれると言っている理由です。企画会議なども余裕でやっていますよ。
開発者が自宅の環境を整えるための移行準備金や在宅勤務手当を出して環境の整備はしてもらった上で、みなさんかなり使いこなしているようですね。
そもそも、キングスグレイブFF15の時に海外スタジオを多く活用して仕事をしたので、その時に仕事をオンラインでやるやり方が身に着いたそうです。
インディでは、世界中の開発者がオンラインで集まってゲームを分散開発するのが普通じゃないですか。僕も同じように、国をまたいだ開発に可能性を感じるしできると思っています。
そのほか、Zoomで大部屋をつくってブレイクアウトルームで小部屋に分けて、部署の忘年会をやったとか、毎朝30分ずつ雑談会を行なっているとか、オンラインで仕事を進める上でのノウハウなんかも共有されていて、大変参考になります!ぜひ全文を読んでみてください。
記事中の発言に「アジャイル」という言葉が出ているので補足しておくと、アジャイルとは
ソフトウェアの開発手法のひとつ。従来は、まず設計書を書いて数カ月かけて1本のプログラムを書き上げていたのに対して、アジャイルでは数人の小規模のチームを作って、2週間くらいの開発量に区切って小さい開発を何度も繰り返していくやり方のことです。ドキュメントをあまり作らずに、チームメンバのコミュニケーションを重視するので、チームが顔を付け合わせて毎朝15分くらいのミーティングをするのが普通です。 こういったチームワークが要求される開発にはオンライン会議だと難しい面もあるのかと思いきや、上手くいっているんですねぇー。