ゲーム開発者が多数の技術公演を行うカンファレンス、CEDEC2021でスクエニのFF7Rインターグレード開発者がサウンドをテーマにして講演しました。講演したのはスクエニのサウンド部・コンポーザーの鈴木光人氏、ミュージックディレクターの河盛慶次氏、プロジェクトマネージャーの土岐望氏の3名で、「BGM再生法の基礎知識」「楽曲制作法」「日英2言語歌唱楽曲ワークフロー」の3つのテーマについて。
特にフォーカスされていたのは、最近では当たり前の技術になってきた「インタラクティブミュージック」について。プレイヤーの動作に合わせて、流れるBGMが変わっていくというもので、その実現手法が技術的に解説されました。
そして、今作で大きなサウンドのポイントなっていた「かめ道楽」について、かなり詳細に解説がありました!FF7インターグレード未プレイの方に説明すると、「かめ道楽」はゲーム内のクエスト。 居酒屋である「かめ道楽」のチラシが街やダンジョンのいろいろなところに貼られていて、それを見つけてかめ道楽のおじさんに報告するとアイテムがもらえたりするというもの。ポイントは、チラシの近くには必ずかめ道楽の音楽が流れていて、しかもボーカル曲。しかも、場所ごとに編曲が違うという凝りようだったのです!ということで、日本語版と英語版の合わせて全18曲をどんな風に制作したのかが明かされています。
なんと、スタッフの自宅録音であったことが判明!!
鈴木氏からリモート収録時の作業手順が紹介された。「かめ道楽音頭」の曲中では多重コーラスが必要だったが、コロナ禍において大人数でスタジオに入ることは避けなければならなかった。そこで、サウンドスタッフ各自の環境で録音をしてもらったボーカルデータを集め、エディットすることで「ガヤガヤ感」を演出した。
問題は、それぞれの自宅の録音環境が大きく異なっていたこと。最も大きな要素は「部屋鳴り」と「環境ノイズ」で、前者は部屋の広さや吸音性能に応じて反射音が収録されてしまう問題で、後者は今の季節であればセミの鳴き声などが一緒に収録されてしまう問題となっていた。
その甲斐あって、「かめ道楽」はかなり強烈な印象をゲーム内に与えていて、FF7オリジナル版にあった「世界観はシリアスだけど、随所にユーモアがあふれてて楽しい」空気感を再現することに一役買っています。はやくFF7リメイクの本編でウータイに行ってみたい!!と思うこと請け合いです。
×シリアル→○シリアス ですよー