石井浩一さんと天野喜孝さんの対談がFF11の20周年記念サイトに掲載されたのですが、そのビジュアルがなかなか強烈。黒い椅子に座り、背後には黒豹ですよ…!しかし対談内容はそんなハードなものではなく、石井さんがスクウェアにアルバイトで入社した初代FF1の開発からはじまるたくさんの裏話で、FF3まで。
いざチームに入ったら、4人くらいしかいないんですよ。すると坂口さんから、「これから俺たちのチームで『ドラゴンクエスト』(以下、『DQ』)みたいなRPGを作るから、石井は企画を考えとけ!」といきなり振られて……。でも、その後は、坂口さんたちは、『ハイウェイスター』の開発で忙しかったので、ほったらかしに近い状態になりました(笑)。
細かい部分に関しては、たとえば太いウィンドウ枠は『マリオブラザーズ』の鉄パイプから、白い手袋の指差しのカーソルは『謎の壁 ブロックくずし』(1986年・コナミ)からインスパイアを受けていますね。
なんと、あのウインドウ枠や白い手袋のカーソルにそんな元ネタがあったんですか!!
当時、自分が思い描いていたファンタジー像にもっとも近い画家は、ロドニー・マシューズ(※)、グレッグ・ヒルデブラント(※)そして天野さんの3人でした。とくに天野さんは日本のファンタジーイラスト界における第一人者だと思っていて、スクウェアで企画を考えるときも、イラスト集の『魔天』(※)を見ながらイメージを膨らませていたほどです。ですから『FFI』の世界を実現するにあたり、誰にイラストを描いてもらおうかと考えたとき、真っ先に天野さんが思い浮かびました。
対談の中では、石井さんがいかに天野さんのことを尊敬しているかがひしひしと伝わってきます。
そして、坂口さんのRX-7に乗って、石井さん・渋谷さんの3人で、横浜の天野さんの仕事場に依頼をしにいくことになります。
いまも強く印象に残っているのは、石井さんやスクウェア(当時)の皆さんに対して、勢いというか才能というか、“新しい時代を作るエネルギー”のようなものを感じました。そのエネルギーは、僕が『FFI』のイラストを描くうえでの強いあと押しになりましたし、あのとき感じた気持ちが裏切られることはなかったです。
天野さんは依頼を受け、FF1のあの美しい世界のイメージイラストや、モンスターデザインが生み出されていったわけです。
今回の記事に対して、坂口さんと渋谷さんも懐かしむツイートをしています。
@auuo RX7のちょー狭い後部座席に乗って横浜行った事すっかり忘れてましたよ😅 https://t.co/LmveRDOvud
— kazuko shibuya (@Skazuko) January 20, 2022
やはり使用色は少なければ少ないほどインパクトが強いな