文春砲でおなじみの文春オンラインに吉田Pのインタビューが掲載されています。別になにかスキャンダルがあるとかではなく、普通にFF14の立て直しに関するサクセスストーリーを語る内容となっています。
・インタビューその1
・インタビューその2
吉田 たとえばアーティスト(デザイナー)が作ってくれた、新しいマップのビジュアルをチェックして修正ポイントを伝えるとします。でも僕には絵の才能が全くないので、自分で「こんな感じ」と描いて伝えることはできません。だからこのビジュアルの目指す目的は何で、そのために何が必要で、今の状態だと何が足りないと感じていて、何が余計と感じるのか、どう変えれば良くなるかを、理論立てて具体的に根気よく説明しないと、僕がイメージしているものに近づけられない。相手が納得してくれるまで、説明が必要だと思っているんです。僕は直接的な作業者ではないからこそ、何としても自分が持っているイメージを伝え、相手の能力でそれを表現してもらうしかない。他の業界でもあることかもしれませんが、ゲーム業界にも「何となく違うんだよなぁ」という曖昧なダメ出しをする人がいます。僕も自分でデータを作り、スクリプトを書き、テキストを書いてきましたが、そういった曖昧なフィードバックに、ずっとイライラしてきた経験があります。自分はそう思われたくない! という恐怖心が、僕を支えてくれています(笑)。
――エヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明監督がドキュメンタリー映像の中で「これじゃないってことが分かった」とスタッフの案に伝えていた場面を思い出してしまったのですが……。
吉田 いや、今のたとえを庵野さんのような天才と比べるのはダメです! 庵野さんが「違う」って言ったら、多分それは本当に違うんです。神のことを人間が理解しようとしたらダメです(笑)。上司が庵野さんなら、僕だって「わかりました何か違うんですよね、そのきっかけだけでも掴みたいんで相談させてください」ってなります。でもほとんどの人は、庵野さんではありません。キチンと説明する必要があるんです。
さすが、文春ですね。庵野さんを持ち出してくるとか、ツッコミが激しいです(笑)。このほかにもPLL第1回で和田社長を追い出した演出の意図であるとか、流行の「メタバース」についてどう思っているかとか、WoWについてだとか、なかなか多岐にわたる濃密なインタビューとなっています。