ゲームメディアのAutomatonにCCFF7リマスター版のインタビュー記事が掲載されていますのでご紹介。CRI・ミドルウェアの広告記事ですので、基本的にはツールの便利さを語る内容です。しかしスクエニ側と開発会社のトーセ側の双方が登場しており、技術面にフォーカスしたディープな内容です。例えば下記のような感じ。
――リマスターということもあって、最初はオリジナル作品の検証から始めたと思います。この辺りの流れについて、どのように進めたのでしょうか?
加藤/トーセ:
オリジナルがPSP向けなので、ハードの特性に合わせた特殊な作りをしているんですね。当時はUMD(Universal Media Disc)の読み込みが上手くいくように、レンズの動きが大きくならないようなデータ順番になっているのですが、その辺りも含めて構成の解析からスタートでした。山口/トーセ:
とはいえC++で作られているものですし、UEもC++主体ですので、アドレスの64Bit対応や読み込み処理をUE用に修正することで、きちんと実機で動かすことができました。弊社は古くからゲーム開発を行っていますので、PSPの開発は勿論、移植タイトルも数多く手がけていますので、この辺りのノウハウが十分にあり、スムーズに検証を進めることが出来たと思います。本作ではこれをベースに開発を進めています。
ということで、オリジナルのPSP版のコードをベースに開発されているそうです。インタビューでは、主にSwitchやPS4などのマルチプラットフォーム対応を、複数言語でどのように実現したかについてフォーカスして語られています。 ムービーの容量の削減やリップシンクでは、CRI・ミドルウェアが活躍。特にリップシンクは、日本語・英語でのフルボイスで再生されている音声を解析し、唇の動きを自動生成しているとのこと。
もちろん、ツールだけで全部上手くいくわけじゃなく、例えば下記のように、
本作ではページ数(字幕のウィンドウ送りの回数)も同じになるように翻訳して頂いたので、尺の調整などは非常に楽でしたね。「日本語は3回ボタンを押したら3枚のウィンドウ表示で終わるが、他言語だと5回ボタンを押して5枚のウィンドウ表示をしないと終わらない」なんてことも良くあるのですが、本作はそこを1対1で対応するように翻訳を行って頂きましたので、スクリプトやモーションも流用ができていました。
開発プロセスが楽になるように翻訳の文言を事前に調整してもらうようにしていたなど、計画的に開発されていることが語られています。この辺りはさすがに小慣れているわけですね。
というわけで、このような苦労もあって、今回の完成度の高いリマスターが実現できているのですね!ちなみに、メタスコアは78点に収束しています。